心の清涼剤

胸の辺りがスーッとする読後感

雨からの物語

あさからあめつづいている

規律きりついリズムで雨音あまおとをたてつづける

まどからそとながめるとアスファルトあめんでいろくなっているのがわかる

屋根やねひさしからポタポタとしずくれる

そらくもおおわれていてれそうながしない

 

天気予報てんきよほう確認かくにんするとひるからはらないとある

かさわすれないようにしないといけないとおも

子供こどもころからかさをよくわすれてしまう

きはあめっていてもかえりにはがっていてそのたびかさいてきてしまう

いまもそれはわらない

 

玄関げんかんかがみくつ自分じぶん姿すがたうつ

その動作どうさ確認かくにんしたあとかさばす

またこの場所ばしょかさもど保証ほしょうはどこにもない

ひとつかるくタメいきをつく

 

近道ちかみちのための公園こうえん横切よこぎ

木製もくせいのアンティークふうのベンチが雨晒あまざらしになってつづけている

それがみょうさみしそうにうつるのはわたしだけだろうか

 

おおきめの雨粒あまつぶかさ執拗しつようたたつづける

かさにぎ左手ひだりてちからはい

つち部分ぶぶん泥々どろどろなのでタイルで舗装ほそうされた部分ぶぶん辿たど

かさをさしてしたいてあるいているとすれちがひととぶつかりそうになる

そのときかさからんだしずくかたあたりがつめたかった

 

とおりがかりにあるパン

みせそとにある傘立かさたてにかされる

みせなかはいると一気いっきにパンのかおりにつつまれる

パンのかおりがわたし大好だいすきだ

このこおばしいかおりでわたしこころなご

そのときわたしすこ口角こうかくがって微笑ほほえんでいるようにえたかもしれない

こじんまりとした店構みせがまえにも好感こうかんてる

 

みせそとるとさっきとはってわってあめがったようにえる

しばらくそらながめて様子ようす

相変あいかわらずくもはどんよりとしてえるけど

その姿すがたがパンひさしした雨宿あまやどりしているみたいになる

 

そのときちょうどパンからたスーツをおとこひととチラッと

わたしなにわずにまたそらながめているとそのおとこひと雨上あめあがりましたね」こえをかけてくる

「ええ、かさわすれないようにしないと」すこ微笑ほほえみながらわたし自然しぜんこたえる

 

何秒なんびょうかの沈黙ちんもくがある

くもがゆっくりとながれてその隙間すきまからすこしの陽射ひざしがはじめる

 

そこでわたしなにかをおもしたように不器用ぶきよう動作どうさ傘立かさたてにある自分じぶんかさばす

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