心の清涼剤

胸の辺りがスーッとする読後感

通学路は人生の坂道(Return)

窓際まどぎわってそとながめている

真下ましたにはバレーボールコートがあってその奥側おくがわ体育館たいいくかんがある

そのこうがわにはプールがあるけどここからはえない

これがなつであればみずってすこ波立なみたっていて太陽たいようひかりれているかもしれない

 

まだ一限目いちげんめはじまるまでは時間じかんがあって教室きょうしつなかはまばらだ

いつもどおりというかなにもかもがなつかしいかん

ぼく自分じぶんせきもどってつくえよこけてあるかばん

つくえなかさぐってなにいことを確認かくにんしてから教室きょうしつ

途中とちゅうクラスのマドンナとすれちがうけどまるでいぬ散歩さんぽでもしているようにこっちには見向みむきもしない

 

階段かいだんりて下駄箱げたばこかっていると友達ともだちいかけてくる

かえることにしたとうとなんかえるんだと

もっともな疑問ぎもん

そのあとかえるなよとってきたけどぼく決心けっしんにぶらない

下駄箱げたばこあしきずってあるくサッカーのエースとすれちが

部活ぶかつあしのどこかを怪我けがして今日きょうあさくるまおくってもらったようだ

友達ともだちはそのエースとはなはじめると一緒いっしょ教室きょうしつもどってしまった

ぼくのことはあっさりとあきらめた

鞍替くらがえがはや

 

ぼくくつえるとさっきみちもど

できるだけ目立めだちたくない

まさに学校がっこうから脱走だっそうするといううしろめたい気持きも

ながくだざかりているとまだ通学つうがくしている生徒せいともいてぼく車線しゃせん逆走ぎゃくそうするくるまるみたいに不審ふしんかんじでている

途中とちゅう朝練あされんでランニングしているいにこえをかけられるけどなにっているのかれずにぼくげるだけでかえした

 

みぎにカーブしたところかるともうここからは学校がっこう視界しかいからえる

そのときまで背中せなかかんじていたプレッシャーもえてぼくすこ安心あんしんしたようなかんじになる

しばらくはそのままあるいてそしてくす

 

もう十分じゅうぶんだとおも

こころすみからジワジワしてくる

ズルやすみのいたたまれない午前ごぜん

住民じゅうみんないゴーストタウンのようなしずけさ

だれいかけてないさみしい背中せなか

 

どうしてこうなってしまうのか

 

ぼくには人生じんせいというものが理解りかいできない

 

そら見上みあげる

しろくもはゆっくりとながれる

宇宙うちゅうてでひとつのほしひかり消滅しょうめつしたかもしれない

それがやがてやって後悔うかいしつぶされるまでの数秒間すうびょうかん

 

あしいたスニーカーがかわいそうにかんじる

もっと快活かいかつはしまわりたかっただろう

ぼくわるかった

かなしくてなさけない気持きも

無表情むひょうじょうのままのスニーカーはそのちすくむぼく両足りょうあしそろってってくれている

 

右足みぎあしすすめる

そして左足ひだりあし

そこではじめてづいたのはぼく右足みぎあしからしているということ

これはおおきな事実じじつ

まわみぎをしてクルッとまわ

りてきた坂道さかみち見上みあげる

学校がっこうのチャイムが

これが始業しぎょう合図あいず

 

ぼく思案しあんする

るのかもどるのか

まさにこれがはじめの一歩いっぽになるのかも

宇宙うちゅうてでまたあたらしいひかり誕生たんじょうするみたいに

それがまたひとつのひかりわりのなかにあるとしても

ぼく他人たにんくためにまれわりたいとこの左右さゆうのスニーカーにちか

note.mu